コンテンツにスキップ
Tauri

プラグイン・アクセス権の使用

《訳注》

本訳稿では、Permissions / Capabilities に主に以下の訳語を当てています。

  • Permissions 「アクセス権」(アクセスの許可権)
  • Capabilities 「セキュリティ・レベル」(セキュリティの度合いを示す権限レベル)

この章の目的は、プラグイン・アクセス権がどのように有効化または無効化されるのか、どこに記述されているのか、さらにはプラグインのデフォルト・アクセス権の使用方法について、より深く理解することです。

この章を読み終わる頃には、どのようなプラグインでも、そのアクセス権を見つけて使用し、既存のアクセス権をカスタマイズする方法を理解できるようになります。 以下で、プラグインとプラグイン固有のアクセス権を使用する Tauri アプリケーションの事例を見ることもできます。

  1. Tauri アプリケーションを作成します。 この事例では、create-tauri-app を実行します。

    sh <(curl https://create.tauri.app/sh)

    この段階を踏んだ説明手順では pnpm を使用して進めていきますが、別のパッケージ・マネージャーも選択可能です。選択したパッケージ・マネージャーに応じてコマンドを置き換えてください。

  2. 既存のプラグインを検索するには、複数のリソースを使用できます。

    いちばん簡単な方法は、プラグインがすでに『Tauri Guides』ドキュメントの「Plugins」の中にあるか、つまり、Tauri が管理するプラグイン・セットの中に存在しているかどうかを確認することです。 たとえば、「ファイルシステム(fs)」プラグインは Tauri Plugins メニューのワークスペース(共有エリア)に掲載されており、そのリンク先の設定手順 に従って自分のプロジェクトに追加可能です。

    また、プラグインが Tauri コミュニティの取り組みとして行なわれているものであれば、crates.io 上で十中八九見つかるはずです。「tauri-plugin-<プラグイン名>」のように検索してみてください:

  3. 各プラグインには「デフォルト」のアクセス権のセットがあり、これには、適切で最小限の機能と、プラグインをすぐにそのまま使用するためのアクセス権とスコープ(適用範囲)がすべて含まれています。

    公式にメンテナンスされているプラグインの場合は、ドキュメントに提供された説明が記載されています(例: fs default)。

    コミュニティ製プラグインに関するデフォルトのアクセス権設定を調べるには、そのプラグインのソース・コードを精査する必要があります。 その内容は your-plugin/permissions/default.toml に定義されているはずです。

  4. 手順 4 では、システムへの最小限のアクセスで、コマンドをフロントエンドに公開するために必要なアクセス権を見つける方法について説明します。

    fs」プラグインには自動生成されたアクセス権があり、個々のコマンドの無効化/有効化や、グローバル・スコープの許可/禁止を行ないます。 アクセス権の詳細は、公式ドキュメント またはプラグインのソースコード(fs/permissions/autogenerated)を参照してください。

    たとえば、ユーザーの $HOME フォルダにあるテキスト・ファイル「test.txt」への書き込みを有効にしたいとします。

    そのためは、「自動生成されたアクセス権」の中で、allow-write-text-file のようなテキスト・ファイルへの書き込みを許可する権限を検索し、次に $HOME/test.txt ファイルへのアクセスを許可するスコープを検索します。

    これらのアクセス権を src-tauri/tauri.conf.json の「セキュリティ・レベル capabilities」セクション、または「src-tauri/capabilities/ フォルダー内のファイル」に追加する必要があります。 デフォルトでは、src-tauri/capabilities/default.json の中には既に修正可能な「セキュリティ機能」があります。

    fs」プラグインには $HOME フォルダー全体にアクセスするための自動生成されたスコープしか設定されていないため、自分に必要な独自のスコープを設定する必要があります。 この独自のスコープは write-text-file コマンドのみを有効にして、test.txt ファイルだけが公開可能になるようにすべきです。

  5. 必要なアクセス権限を追加したら、アプリケーションがファイルにアクセスしてその内容を書き込むことができることを確認します。

【※ この日本語版は、「Feb 22, 2025 英語版」に基づいています】


© 2025 Tauri Contributors. CC-BY / MIT